ブランドに着られる
憧れのブランドの服が買える喜び、所有できる喜び、わかりますけど、できれば着こなす喜びまで手に入れたいですね。
服のコンサルタント森井良行と、エレカジ認定スタイリストの河野恵が、女子目線で男性のどんな姿が「痛い」のか、そして「痛い」と言われないための着こなしについて語ります。
今回のテーマ:ブランドに着られる
全身くまなくブランド装備
梅雨前の居酒屋で見かけた30代半ばの男性です。
黒のピチピチランニングに白のハーフパンツ、なぜか頭にニット帽をかぶり、チェーンウォレットのチェーンが腰周りにぶら下がっていて、足元はエルメスのスニーカー。アクセサリーはブルガリ(たぶん)の指輪、時計はロレックスという姿でした。
きっとランニングもハーフパンツも高級ブランドのものなんだろうなという感じのするファッションでしたが、ブランドもので固めて「僕オシャレしてます」感がすごくて見入ってしまいました。ちなみに夜なのにサングラス持参。これもブランドものぽかったです。
この人のカノジョになったら大変そう。。。
(C.Mさん 女性 33歳)
illustration by みやもとゆうこ
高収入なのはわかるけど・・・
6月頃、立食パーティー形式で交流会があったときのことです。
高所得な男性や女性が多いパーティーで、その方も美容関係のお仕事をしている男性だったのですが、上からヴィヴィアンのネックレス、ヴィトンのかばん、ドルガバのベルト、ロレックスの時計、指輪、靴など、ブランドが一目でわかるものばかりを身に付けていて、明らかに少し浮いて痛く見えました。
ブランドもさりげないほうがかっこいいのになと思いました。
(K.Kさん 女性 26歳)
どこが「痛い」のか
編集:全身ブランド物という方ですが・・・
森井:なんかこう、イケイケな感じ、もしくはイケイケに憧れてる感じがしますね。
河野:森井さんの言う「イケイケ」ってどんな感じなんでしょう?
森井:昔やんちゃしてたりとか、EXILEとかにリスペクトがあって、いまは多少お金があって、キャバクラで遊ぶような。タトゥーとか入れちゃう感じ。
編集:なんとなく、地元の中学の友達にいそうな・・・
河野:ブランドに関しての一般論としては、全身の中で1-2つに押さえたいですね。
森井:そう、全部別のブランドってのもキツイです。同じブランドで2アイテムくらいだと、あ、そのブランド好きなんだな、ってわかるんですけど。
これだけ揃えちゃうと、ブランドの個性よりも先に「その人自身が自己主張の強すぎる人だ」っていう印象が伝わっちゃいますね。
河野:なんでしょう、この自分の所得を見せつけてる感じが「痛い」んでしょうかね。
森井:バブル期の日本人とか、ちょっと前の中国とかの雰囲気ですかね。そういう物が買える自分が誇らしい、というのはいいことだとは思うんですが。
エレカジ流の解決策
森井:なんというか、「エレガント」とは違う世界なのでコメントしづらいんですが、こういう人が、もうちょっと落ち着いた人と仲良しになりたいなら、服装から変えたらいいんじゃない、とはアドバイスすると思います。
河野:服って、その人がどういう人かを表してしまうので、自然と、似た傾向の人ばかりが集まって、それで心地いい空気になっちゃうんです。それでハッピーならいいですけど、周囲の普通の女子は遠ざけてますね。
2022年補足
森井:このコーディネート、ブランドものがひとつ入ってるのわかりますか? わかりにくいかもですが、スニーカーがプラダなんです。PRADAのロゴがベロのところに見えますよね? 定価で10万円くらいします。
これ見よがしにブランドを押しつけるのではなくて、まさかそこに、という所にハイブランドのマークが入っていると「おっ」てなりますよね。エレカジの買い物同行でハイブランドをおすすめする時はこんな使い方をします。(買い物同行ってなに?というかたは「はじめての方へ」をご覧ください)