なんちゃってクールビズ
いまだにほとんどの男性ビジネスマンが「クールビズ=ノーネクタイのスーツスタイル」だと思っているので、全国のオフィスではこんな惨状が広がってるんです・・・。
森井良行と、エレカジ認定スタイリストの河野恵が、女子目線で男性のどんな姿が「痛い」のか、そして「痛い」と言われないための着こなしについて語ります。
今回のテーマ:なんちゃってクールビズ
貧相な半袖の上司
私の上司にあたる男性ですが、夏になるとオーバーサイズの半袖シャツをきてきます。
ノリがきいた妙にパリッとしたシャツ。髪型はバックで、古き良き時代(笑)を感じさせます・・・。
冬にスーツの時はあまり感じないのですが、夏場にジャケットを脱ぐと途端に残念な感じになります。
クールビズなので半袖なのはいいですが、ジャストサイズにしないとイタイどころか仕事ができなさそうにみえて、威厳が半減してしまいます!
(C.Sさん 女性 33歳)
illustration by みやもとゆうこ
どこが「痛い」のか
河野:いまどき、こんな人いるんですか?
編集:いますね。典型的なオジさんサラリーマンのスタイルですね。
森井:服装の基本として、ワイシャツというのは下着の部類なので、オーバーサイズのシャツを着てるのは、デカパン履いて歩き回ってるのに近いんですよ。赤塚不二夫さんのギャグマンガに出てきそうな・・。
河野:本人なりに、ノリがきいたものを着るという気の使い方はしてるっぽいですけどね。
森井:本人じゃなくて、奥さんとかクリーニング屋さんがそうしてるだけかもしれませんよ。
まず、クールビズ=ジャケットを脱ぐ、ネクタイを外すって引き算で考えちゃいけないと思うんです。クールビズという「夏の軽装」をゼロから組み立てる感覚が大切です。涼しい素材のアイテムでジャケパンスタイルをつくるとか、単独でそれなりの装いになる(存在感のある)シャツを選ぶとか。
シャツに関しては、この方たぶん首回りだけで選んでると思うんですね。店員さんも半袖シャツだとそこしか見なかったりしますけど、脇の布の余り具合もチェックポイントなんです。半袖だと、袖の切り口部分に二の腕とのすき間ができちゃうので、ブカブカ感が出やすいんです。
河野:いろいろ難しいんですね。
エレカジ流の解決策
森井:クールビズというと、とかく皆さんネクタイ外してジャケット脱いで、という、だらしなくなる方向に行っちゃうのがもったいないんですよね・・・。で、薄着でアイテム数が少ないから、体型とか着こなしのアラがすごく目立っちゃう。
河野:だったら今回の女子の声みたいに、頑張ってスーツ着てた方がいいかもしれませんね。
森井:それでも半袖シャツっぽい感じで過ごしたいのであれば、長袖シャツを買ってたくし上げるスタイルをエレカジではオススメしてます。
最近は7分袖のクールビズ用ワイシャツもあるので、その袖をちょっとたくし上げると、見た目は半袖っぽく見えて、かつ変なブカブカ感がでないんです。
河野:なるほど。
森井:ちゃんとした紳士服店なら必ず試着用シャツありますから、かならず試着して、布が余ってないか確認してから買ってください。
河野:自分のジャストサイズがよくわからない、という場合は・・・
森井:エレカジの買い物同行へどうぞ(笑)ああああああ
2022年アップデート
クールビスに関しては、「スーツ姿を元に、ネクタイやジャケットを抜く」という「手を抜く=だらしない」方向性ではなく、「夏の軽装」という別のスタイルを作る、というのが大原則です。
その大原則は変わらず、コロナ禍の2022年に思うのは「半袖ワイシャツでも品物を選べば成立する」ということ。
上の記事では半袖ではなく、長袖シャツをたくし上げる、というスタイルを提案していましたが、たくし上げにも難しいところがあって、腕の太さや袖の太さ、折り返しをちゃんとできるかどうかによって、たくし上げ状態をキープできない場合があるんですね。その結果、片腕だけ戻ってしまったり、両腕戻ってしまったりして、シワシワな袖で余計にだらしない感じになってしまう。
だとしたら、はじめから半袖で組み立てた方がいいのでは、ということで最近の事例です。
スーツのインナー感のある白ワイシャツではなく、ギンガムチェックでカジュアルに寄せて「別物」であることを伝えます。かつ、紺色というジャケットの定番色を使うことで違和感も出にくいです。
白いシャツを使うにしても、鹿の子編みのやわらかい質感の素材を使って別物感を出します。下半身はチノパンでも合いますが、ビジネスの場での装いならスラックスで。
表面に、いわゆる「白ワイシャツ」とは違う表情があるのが伝わりますでしょうか。
とにかく、手抜き感、だらしない感じを出さず、上品さを意識するのがポイントです。素材も進化していますし、機能性と好印象を両立させるクールビズを知りたい方は、ぜひエレカジの買い物同行にお越しください。