地味すぎて地味すぎて、埋もれる
変にオシャレぶって浮いちゃうのって恥ずかしいですよね。でも、無難を追求してしまうと、とたんに存在感が消えてしまいます。
スタイリスト森井良行と、エレカジのスタイリスト養成講座卒業生の河野恵が、女子目線で男性のどんな姿が「イタい」のか、そして「イタい」と言われないための着こなしについて語ります。
今回のテーマ:「地味すぎて地味すぎて、埋もれる」
落ち葉に溶け込む自然色
11月の後半だったと思います。寒さがどんどん増していくなか行われた合コンで知り合った、30代半ばから後半の男性の話です。
仕事はシステムエンジニアだと言っていました。
その男性はまるで落ち葉のような、あまりにも自然色すぎて、公園の中にいても馴染んでしまうような格好をしていました。
年齢的にもまだまだ若いのに、服の色あわせがまるでおじいちゃんのようで、とても老けて見えました。
(N.Nさん 女性 32歳)
どこが「痛い」のか
河野:女性でも自然色ばかり着てる人いますけど、男性ってどうなんですか?
森井:自分の経験から言うと、この男性には「目立ちたくない」という気持ちが出てる感じがしますね。積極的に「アースカラーが好き」ということじゃなくて。
河野:派手な色を使うのが怖いんですかね。
森井:生い立ちとかにも関係すると思いますけど、おそらくこの男性にとっては、服装とは「いかに無難でいられるか」ということなんだと思いますよ。ある意味この人にとって、自然色の服は迷彩服と同じ役割なんでしょう。
河野:悪目立ちしたくないってことですか。
森井:そうですね、「普通が一番」「安定が一番」が行き過ぎるとこうなっちゃう。周囲に溶け込むことには成功してるけど、合コンにいっても相手にされないし、競争社会では生きていけない感じ。
河野:「おじいちゃん」って言われちゃってますからね。確実に恋愛対象じゃないですよね・・・。
エレカジ流の解決策
森井:こういう方にはまず「インナーだけ変える」ことをオススメします。面積の多いアウターで色使いをガラッと変えると、印象が変わりすぎてリスクが高いので、面積の小さいインナーで色を挿していきましょう。
ワイシャツなら白ベースにピンクがストライプで入っているものとか、やさしめの色のニットとかを入れてみると、それだけでも周囲の反応が変わったりしますよ。
グレー合わせの難しさ
秋口にショッピングモールですれ違った30代後半の男性のファッションを見て、目を疑いました。
グレーのゆるめのパンツに、無地のグレーのTシャツでした。シンプルファッションと言えば格好いいと思いますが、グレーとグレーを被せて、しかも体の線が出ない洋服だと、もはや部屋着です。
田舎のヤンキーがコンビニ行くのと同じファッションです。せめて上下どちらか色を変えるとか、ジャケットを羽織るとかすればまだ印象は違うのに、と思いました。
(S.Tさん 女性 35歳)
どこが「痛い」のか
河野:これは前にも言いましたけど、部屋着の感覚で人前に出ちゃダメですよね。
ショッピングモールに、女性はみんなちょっとウキウキした気分でお買い物に来ているのに、そこに周囲への気遣いゼロで踏み込まれてしまった感じ。
森井:意外とブランド物だったりするんですけどね。そういう問題じゃないってことに気づかない。
河野:そうなんです。そこが痛い感じなんです。
森井:この方もたぶん、無難にしよう、悪目立ちしないようにしよう、ということを意識しすぎて、メリハリのない配色やシルエットになってしまったのかも知れませんね。
エレカジ流の解決策
森井:やはりちょっとした挿し色を、面積の小さいアイテムから使うといいですね。
実際にエレカジの買い物同行サービスで担当させていただいた方の事例をいくつか挙げておきますので、参考にしてください。