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『毎朝、迷わない!ユニクロ&ツープライススーツの上手な使い方』 出版記念インタビュー(1)

最終更新日:2018.09.07

いよいよエレカジ森井良行の著作『毎朝、迷わない!ユニクロ&ツープライススーツの上手な使い方』が出版されます。これを記念して、エレカジ編集部による全3回の著者インタビューをお送りします。今回は「なぜ見た目で損する男性が生まれてしまうのか」について。

日本の男性は服で損している

編集部:今回の本ですが、出版のきっかけは何だったんですか?

森井良行(以下、森井):昨年末に、一般社団法人「服のコンサルタント協会」を設立しました。エレカジの「お客さんの服を選んで差し上げる」というパーソナルスタイングサービスではなく「服を選べる人を増やす」という活動のために作った団体なんですが、それを知った女性編集者の方から人を介して声を掛けていただきまして。

その方は日本の男性のファッションに関して言いたいことがずっとあったんですね。街を見渡して、見た目が非常に残念な男が多いと。

森井インタビュー01

編集部:耳が痛いですね。

森井:いやいや、別にそれはディスってるわけではなくて、伸びしろがありすぎるってことなんです。ちょっとしたことでもっと良くなるのに、全然できてないじゃないかと。

そんな方が、服のコンサルタント協会での教育活動に興味を持ってくださったんです。

編集部:服の着こなし方を学ぶ取り組みですね。

森井:私は、男性が最低限の着こなしの技術を身につけることを、義務教育のカリキュラムに入れるべきだって考えてるんです。

服には取扱説明書なんてついてないし、説明されないと着られない服もないですよね。けれど、着こなすには知識と経験が必要なんです。ここが男性の服装が抱えている大きな問題なんですよね。

ですが、義務教育化はおそらくまだまだ先の話なので、まず本という形で世に問うてみようかと。

編集部:なるほど。とはいえ、男性には見た目を気にすること自体がかっこわるい、みたいな考え方もありますよね。「男は見た目より中身だ」という。

森井:そうですね。人間は中身が大事であることはもちろんだと思いますが、「中身か見た目か」という二者択一の話ではないんですよね。中身がいいことは前提で、見た目も悪くない方がいいんじゃないか、というだけの話です。

先ほどの女性編集者の方も、別に「すべての男をファッショニスタに」とか「一億総ジローラモ」とか言ってるわけではなくて、「最低限の清潔感」や「TPOに適した身だしなみ」の知識は身につけておいてよ、って言いたいだけなんです。

「自分は普通だ」の罠

編集部:そのくらい、見た目で損している人が多い。

森井:中身を理解してもらうのって大変じゃないですか。ある程度時間を掛けて付き合わないと、なかなか他人のことってわからないし、自分もわかってもらえないし。でもTPOにあわせて見た目を整えられる人ってそれだけ気がつかえる、コミュニケーション力の高い人ってことなので、絶対プラスなんですよね。

あと、これ重要なんですけれど、見た目で損している人って、絶対に「自分は普通」だと思ってるんですよ。損していることに気づいていない。

本書にも書いたんですが、他人からの見た目の評価って「いい」か「悪い」かしかなくて「普通」ってないんですよ。普通というのは「印象に残ってない」という、悲しい状態なんです。

そして、見た目マイナスな人に「マイナスですよ」って言ってくれる人はいないんです。兄弟姉妹とか相当仲のいい友達でもない限り、見た目の指摘をするのは人格攻撃になっちゃうので。

運良く指摘をしてくれる人がいて、その人といっしょに服を買いに行くといった経験をすると、自分の気分も変わり、周囲の対応が変わって、「あ、マイナスだったんだ」って納得できるんですけどね。

編集部:わたしもプロのスタイリングを初めて受けた後、ふらっと時計屋さんに入ったら、店員さんの対応がそれまでと全然違って丁寧になって驚きました。

森井:ですよね。そういうことなんです。「お金を持ってそうに見える」とか「高級時計が似合いそうに見える」ことが実はすごくパワフルだという・・・。

最新情報より「着合わせの原則」を学ぼう

編集部:運良く意識が高まったとして、まず考えるのはファッション誌とか読むことですかね?通販サイトの着用画像やファッションスナップを参考にするって人も多いみたいですが。

森井:雑誌は「最新情報を得るため」のものなので、根本的な解決にはなりにくいですね。「こんなアイテムが出た」とか「今年はこれ流行ってるなー」とかはわかるんですが、自分がそれを買うべきかとか、自分に似合うかとかは、また別の知識と技術なので。

ジーンズで組み立てるオフィスジャケパン

モデル 上野和真  撮影 西邑泰和

今回の本はそのあたりを突っ込んで書いてるんです。どういったアイテムをどう組み合わせると、どんな印象になるか、という基本原則ですね。

たとえば、ビジネススーツには革靴を合わせるって思ってますよね?

編集部:はい。リクルートスーツ買ったときからずっとそうしてますが。

森井:でもそれはウールのスラックス前提だから成立しているんです。最近カジュアルフライデーとかクールビズを取り入れている職場も多いですけど、そういう日に綿のチノパンを穿くことってありますよね。そのときに、何も考えずにいつもの革靴を合わせてしまう人が多いんです。

それを100%ダメとは言いませんけれど、ザラッとした粗い素材であるチノと、エレガントでつやっとした革靴は合わせにくいんですよ。印象がちぐはぐになってしまうというか。

むしろ、同じくザラッとしてるスエードとかの方が印象がいいんです。スエードには秋冬のブーツのイメージがあるかも知れませんが、いまはローファータイプのスエード靴もたくさん出てます。

編集部:ということは、服のパーツ単品でいい悪いを言うのではなくて、どういうときにどう組み合わせるかのハウツーがこの本の中心テーマということですか。

森井:そうですね。この本の中では「着合わせ」という言葉を使っているんです。食の世界における「食べ合わせ」みたいな。

編集部:エレガント系の革靴とチノパンは着合わせが悪い・・・と。

森井:同様に食の比喩でいうなら、マリアージュ(口の中で複数の食材の香りが混ざり合って特別な印象を生み出す)のように、この服とこの靴を組み合わせると、デキる男感が80%アップする、みたいなこともできます。

特に、今回はユニクロとツープライススーツのアイテムだけで、着合わせの効果を実感していただけるような内容になっていますので、ぜひ書店やネットで購入いただければうれしいです。

(第2回に続きます。)


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