真っ黒で怖すぎる
男性に根強い「黒=最強説」。その安易すぎる色の選択が、貴男から人を遠ざけていることを知っていましたか?
森井良行と、エレカジ認定スタイリストの河野恵が、女子目線で男性のどんな姿が「痛い」のか、そして「痛い」と言われないための着こなしについて語ります。
今回のテーマ:真っ黒で怖すぎる
全身スカル
8月に同じ職場の飲み会がありました。みんな私服での参加だったんですが、ふだんスーツ姿しか見たことがなかった30代前半の同僚の男性の私服が、いつもとギャップがありすぎて驚きました。そして引きました。
全身、スカル&黒でまとめていたのです。彼は細身でスタイルはいいのですが、私はこういう着こなしは絶対彼氏や旦那さんにはさせたくないな・・・と思いました。
(T.Nさん 女性 30歳)
illustration by みやもとゆうこ
全身真っ黒
元カレで、日頃からおしゃれのセンスはなかった人の話です。
初めてのクリスマスデートの日、彼は全身黒ずくめで現れました。黒のワイシャツ、黒のカーディガン、黒のパンツ、黒の靴、黒のコート。
黒はお洒落で間違いは無いと思ったのでしょう。それなりの雰囲気を持った人が着たら素敵なのかもしれませんが、彼自身がちょっとイモっぽい雰囲気で勘違い感が溢れ出ていました。それを見たら一気に気持ちが冷めて、数日後に別れました・・・。
(R.Tさん 女性 34歳)
どこが「痛い」のか
森井:これは、男性と女性の価値観がいかに違うかという話ですね。
河野:男性は良かれと思って着ているんですよね?
森井:男性は「かっこいい=強い」服を選ぼうとするんですよね。いっぽう、女性は「かっこいい=共感できる」ものに好感を抱く。この感覚がお互いにわからないんです。
河野:「かっこいい」の意味が男女で違うんですね。
森井:「黒」って支配色と言われていて、その名の通り支配とか権力とかいうイメージで、縦社会の男性からしたら、かっこいいと感じる色です。また、黒は「色」ではないというか、光がない、真っ暗ということなので、イコール何の意味も持たない、無難な色というとらえ方もできます。
で、今回の女子の声で言うと、1番目は黒=かっこいい、2番目の人は黒=無難、のパターンですね。ふたりとも自分なりに頑張ったんだと思うけど、女性にはその努力が伝わらないという。
河野:女性からすると、「黒ってなかなか難しい色」という感覚ですけどね。
森井:なるほど。
河野:今回の場合、難しいを通り越して、怖いくらいの印象になっちゃってますね。
エレカジ流の解決策
森井:黒は、一切使わないか、全身のうちどこか一カ所だけで使う方がうまくいきやすいです。黒っぽい事例を紹介しますと・・・
(参照:土屋さんのコーディネート事例)
Beforeは男性視点で「かっこいい」感じなんですけど、全体的に暗いですし、ちょっと支配力ありすぎる感じですよね。Afterでは白パンを入れて、ジャケットもザラッとしたニュアンスのあるネイビー系に変えて、黒っぽい色はインナーと靴だけにおさえて、面積を小さくしてます。
(参照:山本さんのコーディネート事例)
この事例で言うと、Beforeは無難志向の黒っぽさですね。Afterでは、黒っぽいものをインナーと靴だけにおさえてます。
フィットの追求とか、柄やニュアンスの選び方もあるんですが、単に色だけみても、ずいぶん変わるのがわかると思います。
言ってしまえば、全身黒で成立するのって、モードなファッションが似合う、ファッションモデルさんとかだけなんですよね。普通の社会人がモードな服を着てると、それだけで違和感なんですよ。
河野:違和感になっているかどうか、周囲の女性にいったんチェックしてもらうといいですね。というか、外で会う前に一回聞いて欲しい(笑)
森井:ですね。で、それをプレッシャーに感じるなら、相談しやすいエレカジのスタイリストに同行してもらうといいです。
2022年アップデート
2022年になっても、黒ずくめの方を見かけますね。しかもコロナ禍で、顔まで黒のウレタンマスクで覆われていたりして・・・。
記事のアドバイスはいまでも有効で、黒は使うのが難しいと認識していただいて、面積をおさえていくのが基本です。
最近の黒っぽい事例を紹介しましょう。
上下とも黒ではあるのですが、上半身に模様があるのと、靴が白いのと、あと、上下の中間にちらっとシャツの裾を見せています。とはいえ上級テクなので、どんな場所にどんな立場で行くのかによってはこれでも浮いてしまうかも知れません。
それでも黒にこだわりたい方は、ぜひエレカジの買い物同行へ。あなたならではの黒で成立するスタイルをご提案します。